『Best Friend』を紐解く上で欠かせないのが、「特定の誰かに向けたメッセージソング」という制作の原点です。西野カナ本人が当時の音楽雑誌やテレビのインタビューで明かした通り、この曲のモデルとなったのは地元・三重や学生時代からの親しい友人たちでした。
2008年のメジャーデビュー後、大学生活と東京での音楽活動を往復する過密スケジュールの中で、彼女は極度のプレッシャーや孤独感に直面していました。環境が激変し、先行きの不安に押しつぶされそうになっていた彼女を救ったのが、利害関係なく愚痴を聞き、いつでも普段通りに接してくれた親友たちの存在でした。
歌詞の中にある「どんな時も 笑顔でいられたのは あなたがいたから」というフレーズは、創作上の美辞麗句ではありません。深夜に交わした長電話や、弱音を吐き出せる安全基地があったからこそ音楽を続けられたという、生々しい感謝の実体験がそのまま言葉に落とし込まれています。当初はリリース用の楽曲としてではなく、親友の誕生日にプレゼントする私信のような感覚で歌詞が綴られたというエピソードは、ファンの間でも語り草となっています。