近年、テレビ報道やWEBメディアにおけるクマ問題の扱い方は一変した。単なる地域ニュースを超え、生存を懸けた防犯報道としての側面を強めている。中でも大きな反響を呼んだのが、NHKスペシャル「クマ遭遇・緊急警報」だ。街中に現れたクマの行動パターンや、遭遇現場に居合わせた住民の緊迫した証言をリアルタイム映像とともに多角的に分析したドキュメンタリーである。
この番組では、人里になじんでしまった「新世代のクマ」の恐怖が鮮明に描き出された。音や人の気配に驚かなくなった個体が、なぜ住宅街へ侵入するのか。その心理的メカニズムと対策の難しさを浮き彫りにしている。現在もNHKプラスなどの見逃し配信サービスを通じて多くの視聴者に閲覧されており、都市生活者にとっても他人事ではないという認識を定着させる契機となった。