親子の離別から長い年月が流れた。少年は青年となり、今や国際派俳優として世界を舞台に戦っている。かつては複雑な感情を抱えていたとしても、歳月は人の心を解きほぐす。関係者の証言によると、確執や断絶といった暗い空気感はなく、大人同士としての適度な距離感を保ちながら、遠くからその活躍を見守る関係へと成熟しているという。
自らのルーツを否定せず、かといって過剰に依存することもない。山下自身が自叙伝やインタビューで家族への感謝を語る際、その言葉の端々には、自分に生命を与えてくれた両親双方への静かな敬意が滲んでいる。写真という目に見える形での証明はなくとも、彼が鏡を見るたびに受け継いだ血筋の存在を自覚していることは想像に難くない。