岸谷五朗の卓越した演技力と存在感は、厳しい舞台の現場で鍛え上げられたものです。中央大学商学部を中退後、三宅裕司が主宰する名門劇団「スーパー・エキセントリック・シアター(SET)」へ入団したことがすべての始まりでした。岸谷五朗 劇団SET 時代の経歴を紐解くと、アクション、ダンス、コメディが融合した過酷なステージで、瞬く間に劇団のトップスターへと登り詰めていった実力が浮かび上がります。
劇団の同期として出会い、生涯の盟友となったのが寺脇康文です。二人はSETの看板コンビとして絶大な人気を誇りましたが、1994年に劇団を円満退団。自らの表現を追求するために企画プロデュースユニット「地球ゴージャス」を結成しました。
固定の劇場や劇団員を持たず、公演ごとに豪華な客演陣を招いてエンターテインメント大作を打つというスタイルは、当時の演劇界では極めて異例の挑戦でした。客席稼働率を厳しく問われるプレッシャーのなか、二人は30年以上にわたり累計動員数100万人を超えるモンスターユニットへと育て上げました。若い頃に培った舞台への情熱とストイックな肉体訓練が、映像の世界でもブレない強靭な芯を作ったのです。