「沖縄でハブを捕まえて、自分でハブ酒を漬けてみたい」と考える愛好家が後を絶ちませんが、そこにはハブ酒自作の危険性と真相、そして法的な重いペナルティが待ち受けています。
真っ先に直面するのがハブ酒自家製と酒税法の問題です。酒税法第43条(みなし製造)により、消費者が自ら消費するために酒類に物品を混和する場合、一定の例外規定(果実酒など)が設けられています。しかし、これには厳格な要件が存在します。
- ベースとなる酒類のアルコール度数は20度以上でなければならない(20度未満の酒を使用すると、再発酵の恐れがあるため違法)。
- 米、麦、あわなどの穀類や、ぶどう等の特定の果実を混和してはならない。
- 動物性原料(乾燥物以外の生鮮動物)の漬け込みに関する解釈:薬用酒としての生薬浸漬は一部認められているものの、未加工の生きた毒蛇を混和する行為は、自治体や税務署の見解によって「新たな酒類の製造」とみなされ、無免許製造(酒税法第54条違反:10年以下の懲役または100万円以下の罰金)に抵触するリスクを極めて強く孕んでいます。
さらに深刻なのが物理的な危険です。ハブ(特にホンハブ)の攻撃射程は体長の3分の1から半分に及び、捕獲器具の扱いに不慣れな素人が噛まれれば、急性循環不全や筋肉の組織壊死を引き起こします。現代でも血清投与が遅れれば後遺症や死に至る恐れがあり、民間人が自己責任の範囲で扱える生物ではありません。