カマキリの卵はいつ孵化する?室内大量発生の悲劇を防ぐ正しい知識

カマキリの卵はいつ孵化する?室内大量発生の悲劇を防ぐ正しい知識

カマキリの卵はいつ孵化する?室内大量発生の悲劇を防ぐ正しい知識について押さえておきたい ポイントを分かりやすく解説いたします。

「5月を過ぎて6月になっても一向に幼虫が出てこない」「拾ってきた卵がピクリとも動かない」。春を心待ちにしていた観察者から多く寄せられるのが、カマキリの卵が孵化しない理由に関する疑問です。外見は正常に見える卵嚢であっても、中身がすでに生命力を失っているケースは決して少なくありません。主な原因は次の4つに集約されます。

1. 寄生蜂・寄生バエによる捕食被害

自然界のカマキリの卵嚢にとって最大の天敵は、カマキリタマゴカツオブシムシや、卵の中に卵を産み付けるカマキリタマゴバチ(オナガアシブトコバチなど)、寄生バエ類です。これらの寄生昆虫は、母カマキリが卵嚢を産み落とした直後の柔らかい時期や越冬中に内部へ侵入し、カマキリの卵を食い尽くします。卵嚢の表面に直径1ミリ前後の小さな丸い穴がポツポツと開いている場合、すでに寄生バエや寄生蜂が羽化して脱出した後であり、カマキリが生まれることはありません。

2. 低温期間の不足による休眠不成立

秋に産卵された直後の卵嚢を、一度も寒さにさらすことなく11月頃からずっと暖かい室内に置いた場合、休眠打破のプロセスが正常に働きません。昆虫の発生プログラムが狂ってしまい、胚が途中で発育不全を起こして死に至ります。孵化を成功させるには「冬の寒さを経験させること」が生理学的に必須です。

3. 極端な乾燥または過湿によるカビの発生

室内飼育で多発するのが、暖房直撃によるミイラ化(脱水死)です。反対に、タッパーなどの密閉容器に濡れたティッシュと一緒に入れて放置すると、通気不全により卵嚢内部にアオカビや白カビが繁殖します。菌糸が卵の呼吸孔を塞ぐと、窒息して壊滅します。

4. 無精卵(未交尾のメスによる産卵)

秋口にメスの成虫を単独で捕獲して飼育し、ケージ内で産卵させた場合、交尾を済ませていなければ当然ながらすべて無精卵です。カマキリは交尾しなくても産卵行動を起こしますが、無精卵から幼虫が生まれることはありません(※一部の特殊な単為生殖種を除く)。時間が経つと内部が萎縮し、スカスカに乾いてしまいます。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。