映画を最後まで観た観客に最大の衝撃を与えたのが、心優しい紳士に見えたハンス王子の裏切りでした。改めて劇中歌のシーンをコマ送りで検証すると、制作陣が仕掛けた不気味なほどのダブルミーニングと視覚的伏線が存在することに気づかされます。
原題である「Love Is an Open Door」というタイトルそのものが、2人にとって全く異なる意味を持っています。アナにとっての「開かれた扉」は、閉ざされた城から外の世界や真実の愛へ繋がる扉です。しかし、13人兄弟の末っ子で王位継承権を持たないハンスにとっての扉は、アレンデール王国の王座へと登りつめるための扉を指しています。
劇中の振り付けにも決定的な証拠が残されています。月夜の屋根の上で2人が踊るシーンにおいて、アナが腕で四角い扉のフレームを作ると、ハンスはその枠越しに「アレンデール城の天守閣」を見つめています。ハンスが見ているのはアナの瞳ではなく、彼女の背後にある権力そのものなのです。