「秋田からフェリーに乗れば、そのまま苫小牧の市街地へすぐに出られると思っていた」——。こうした痛恨の勘違いが、初めて新日本海フェリーを利用する旅行者の間で後を絶ちません。秋田〜苫小牧フェリーを利用する前に知っておくべき決定的な盲点は、大きく分けて「到着港の立地」「車両航送ルールの変更」「季節変動ダイヤ」の3点に集約されます。
第一の盲点は、北海道側の発着地が苫小牧東港(周文フェリーターミナル)であるという事実です。太平洋フェリーやシルバーフェリーが発着する「苫小牧西港」は苫小牧駅から約4kmと市街地に隣接していますが、新日本海フェリーが着岸する苫小牧東港は、そこから東へ約25km離れた勇払郡厚真町との境界付近に位置しています。ターミナル周辺は広大な工業地帯と原野が広がっており、徒歩圏内にコンビニエンスストアや飲食店は一軒も存在しません。徒歩乗船の旅行者が連絡バスの運行有無や事前予約を確認せずに下船すると、移動手段を失うリスクがあります。
第二の盲点は、新日本海フェリー公式発表資料でも告知されている「無人車航送サービスの終了」です。これまでのように「車だけをフェリーに載せて、人間は飛行機で移動する」といった手配ができなくなり、車両を積み込む際は原則としてドライバーの乗船が必須となりました。また、高速道路の通行止め情報や悪天候による条件付き運航など、日本海側特有の気象リスクも計算に入れておく必要があります。
第三の盲点は、毎日運航ではない時期があることです。海外・国内のフェリー予約統計データ(Openferry等の集計)でも示されている通り、オフシーズンや定期点検(ドック入り)の時期には週最大3便程度へ減便・運休日が設定されるケースがあります。「いつでも毎日乗れる」と思い込んで旅程を組むと、帰路の便が運休日に当たるといったトラブルに直結します。