中南米原産のヒユ科(Amaranthaceae)に属する有茎草であるアルテルナンセラレインキーは、古くから水草レイアウト水槽の定番種として親しまれてきました。茎がしっかりとした直立性を示し、対生する披針形の葉を持つのが形態的特徴です。近年ではデンマークのトロピカ社をはじめとする水草ファームから、ノーマル種だけでなく「アルテルナンセラレインキー ミニ」や「ロザエネルビス(斑入り品種)」など多彩なバリエーションが流通しています。
本種を導入する際、最初に理解しておくべき構造的差異が「水上葉」と「水中葉」の形態変化です。ファームからポット出荷される株の多くは水上栽培されたものであり、丸みを帯びた硬いオリーブグリーンから暗褐色の葉をしています。これを水槽に植栽すると、水質に適応しながら新芽を展開し、次第に細長く波打つような鮮紅色の「水中葉」へとシフトしていきます。
また、近年主流となっている無菌組織培養カップ(1-2-GROW!など)で販売される株は、病原菌やスネール(貝類)、農薬の混入リスクが完全にゼロという絶大なメリットを持ちます。組織培養株は半水中葉のような状態で封入されているため、植栽後の水中展開がポットの水上葉よりもスムーズである一方、初期の根張りが完了するまでは浮力に負けやすく、丁寧なピンセットワークが求められます。