「バイキンマンとドキンちゃんは恋人なのか、それとも兄妹なのか」という長年の疑問に対し、公式の回答は明快です。公式設定におけるばいきんまんとドキンちゃんの関係性は、恋愛関係でも血縁関係でもなく、明確に「居候(いそうろう)」と定義されています。
二人の生活拠点であるバイキン城において、ドキンちゃんは家賃を払うわけでもなく、家事を一手に引き受けるわけでもありません。むしろ城内で最も豪華な部屋を自室として占拠し、ばいきんまんに食事の調達や部屋の掃除を言いつける姿が日常茶飯事となっています。この奇妙な共同生活について、やなせたかしの公式見解まとめや過去のインタビュー記録によると、やなせ氏は「ドキンちゃんはわがままで贅沢好きな女の子。ばいきんまんは彼女の無理難題に振り回されながらも、喜んで従っている男」という力関係を一貫して語っていました。
ドキンちゃん居候の経緯は、1988年に放送されたテレビアニメ第13話「ドキンちゃんのカレンダー」に端を発します。空から赤い卵のような宇宙船がバイキン城の敷地内に突如落下し、中から現れたのがドキンちゃん自身でした。バイキン星から地球へとやってきた彼女は、初対面のばいきんまんに対して挨拶もそこそこに城へ上がり込み、そのまま自室を確保して居座り始めました。つまり、ばいきんまんが招き入れたのではなく、ドキンちゃんがバイキン城にいる理由は純粋な「一方的な不法占拠と居座り」だったのです。
それでもばいきんまんが彼女を追い出さないのは、同じバイキン星の同族に対する親近感や、賑やかになった城の生活をどこかで歓迎している心理があるためです。契約も血縁もない二人がひとつの屋根の下で暮らし続ける姿は、バイキンマンとドキンちゃん公式設定における最もユニークで魅力的な土台となっています。