彼女の足跡を振り返る上で欠かせないのが、2000年代初頭に巻き起こった空前絶後のテレビジャック現象です。『ズバリ言うわよ!』(TBS系)や『幸せって何だっけ 〜カズカズの宝話〜』(フジテレビ系)といった冠番組を次々と成功させ、最高視聴率20%超を連発。大物タレントやスポーツ選手に対して歯に衣着せぬ毒舌で説教を繰り広げる姿は、視聴者のカタルシスを強く刺激しました。
自身が考案した「六星占術」は、生年月日を起点に運命を6つの星(土星人・金星人・火星人・天王星人・木星人・水星人)と陰陽に分類し、人生の周期を読み解く独自の占術体系です。とりわけ、12年周期のうち3年間訪れるとされる停滞期「大殺界」というワードは、流行語の域を超えて日本社会に定着しました。
しかし、視聴率の女王として君臨していた2008年3月、彼女は突如としてすべてのレギュラー番組を降板し、テレビ界からの完全撤退を宣言します。一部の週刊誌では過去の金銭トラブルや芸能界の力学が取り沙汰されましたが、本人が当時語っていた引退理由は「本業である勉強と鑑定、そして後進の育成に専念するため」という極めて現実的な判断でした。
引退後の細木数子の晩年は、京都・右京区に構えた広大な別邸や東京の自宅を拠点に、定例の勉強会や個人的な鑑定業務を小規模に続けながら、静かに「終活」を進める日々へとシフトしていったのです。