ネット上で「成人男性並みのサイズ」と形容される世界最大のコウモリの大きさは、どこまでが真実で、どこからが誇張なのでしょうか。結論から言えば、左右の翼を完全に広げた翼開長(ウイングスパン)は最大で約1.5〜1.7メートルに達します。これは小柄な成人女性の身長や、大人の男性が両腕を水平に広げた長さに匹敵する規格外のスケールです。しかし、視覚的なインパクトに反して、その実体を知る上で最も驚くべきなのは翼開長と体重の詳細まとめに見る極端なギャップです。
成体の頭胴長(頭からお尻までの長さ)は約30センチメートル前後であり、哺乳類としての胴体そのものは中型犬や大型の猫程度に過ぎません。さらに驚かされるのはその体重で、これほど巨大な翼を持ちながら成体の体重はわずか1.0〜1.2キログラム程度しかありません。鳥類と同様に骨の内部が空洞化しており、飛行に必要な徹底的な軽量化が図られているためです。世界最大級の座を争う近縁種のジャワオオコウモリ(Pteropus vampyrus)も翼開長は1.5メートル前後に達し、個体によっては1.5キログラム近くまで重くなるケースが報告されていますが、いずれにしても「人間を軽々と持ち上げる怪力生物」などでは決してありません。