楽曲の魅力を決定づけているのが、計算し尽くされたボーカルワークと音楽的ギミックです。堂本剛と堂本光一の歌割り解説を行うと、二人の声質の違いが見事な物語装置として機能していることが浮き彫りになります。
Aメロ・Bメロでは、光一の端正でまっすぐに伸びるピュアなトーンが、冬の澄んだ冷たい空気感と都会のスタイリッシュな風景を描写します。それに対し、剛の哀愁を帯びたビブラートと情感あふれるフェイクが、心の中に渦巻く未練や切なさを生々しく表現。二人のユニゾンが重なるサビでは、疾走感あふれるメロディの中に、ふとした瞬間に響くマイナーコードの陰りが炸裂します。
音楽理論の観点からシンデレラ・クリスマスのコード進行を分析すると、基本はキャッチーなメジャー進行でありながら、サビ前のブリッジやサビの要所に「サブドミナント・マイナー(IVm)」や切なさを倍増させるクリシェが絶妙に配置されています。この「明るいのに泣ける」音楽構造が、冬の寒さと恋心の温もりという相反する質感を同時に届けてくれるのです。