『鬼灯の冷徹』白澤の正体と因縁を徹底解剖!犬猿の仲の真相と魅力

『鬼灯の冷徹』白澤の正体と因縁を徹底解剖!犬猿の仲の真相と魅力

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桃源郷の住人や読者の間で共通する白澤のパブリックイメージは、「とにかく見境のない女好き」です。妲己(だっき)やリリスといった悪女系から、天界の可憐な天女、現世の女性に至るまで、美しい女性を見れば手当たり次第に声をかけ、しばしば痛い目を見ています。その奔放な行動から、周囲の評判は「漢方の腕は超一流だが、人間性は三流以下」と容赦のない評価を下されることもしばしばです。

しかし、作中の描写を丹念に追うと、彼の女性関係にはある特異な倫理観が見て取れます。白澤は決して相手を力ずくで支配したり、騙して陥れたりすることはしません。むしろ「女性そのものを神聖視し、愛でること自体が生きがい」という全肯定のスタンスを貫いています。相手が悪女であってもその毒気ごと受け入れ、結果的に財布を空にされたり手ひどく振られたりしても、「女性に騙されるなら本望」と笑って受け流す度量の広さを見せます。

社会心理学における「快楽主義的防衛」の視点から見ると、数千年以上という果てしない時を生き、無数の生き死にや歴史の変遷を見届けてきた神獣にとって、現世的な刹那の恋愛に没頭することは、永遠を生きる退屈と孤独に対する防衛本能であるとも解釈できます。徹底的に軽薄に振る舞うことで、神獣としての重すぎる宿命や博識ゆえの憂いを相殺しているという二面性こそ、大人の読者を惹きつけてやまない魅力の源泉です。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。