外部からの批判に晒されながらも、報道機関としての影響力の大きさと破格の待遇から、学生たちの人気は衰えを知りません。ここからはキャリア・採用の観点から現場のリアルを解剖します。
まず注目されるのが共同通信社の年収です。公式な有価証券報告書は非公開ですが、労働組合資料や社員口コミプラットフォームの集計によると、20代後半で年収700万〜800万円、30代中盤のキャップ・デスククラスになると年収1,000万円の大台を突破します。40代以上の管理職層では1,200万〜1,400万円に達するケースも珍しくありません。活字離れと広告収入の激減に苦しむ一般新聞社が軒並み給与カットや早期退職募集に踏み切る中、地方紙からの分担金収入という強固な基盤に守られた共同通信社の給料は、業界内でも頭一つ抜けた高水準を維持しています。
高待遇の代償として課されるのが、極めて過酷な業務環境です。共同通信社の記者評判を検証すると、社員からは以下のような生々しい証言が寄せられています。
「初任地となる地方支局では、警察署の前に早朝から張り込む『サツ回り』からスタートする。夜討ち朝駆けは当たり前で、睡眠時間が3時間を切る日も珍しくない。事件が起きれば休日であっても即座に呼び出される。」(元地方支局勤務記者)
「全国紙と違い、自分の書いた記事が翌日の全国の地方紙一面を飾るダイナミズムは唯一無二。しかし、ミスを犯した際の加盟社からの突き上げは苛烈を極め、精神的なタフネスが常に試される。」(元政治部記者手記より)
このような環境に身を投じる人材を選ぶため、共同通信社の就職難易度はマスコミ業界屈指の最難関レベルに設定されています。採用倍率は職種や年度によって異なるものの、記者職では数十倍から100倍を超える狭き門です。採用試験では、時事問題に関する高度な筆記試験、制限時間内にテーマを論述する過酷な作文、そして幾重にも及ぶ面接が課されます。
共同通信社の採用大学の実績を見ると、東京大学、京都大学、一橋大学などの最難関国立大学や、早稲田大学、慶應義塾大学の上位私立大学出身者がボリュームゾーンを占めます。ただし、全国各地に取材網を持つ通信社の特性上、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学といった旧帝国大学や、金沢大学、広島大学などの地方国公立大学からもバランスよく採用されているのが特徴です。学歴のブランド以上に、「泥臭い現場取材に耐えうる体力」「他人の懐に飛び込める人間的魅力」「瞬時に論理を構築する言語化能力」が徹底して審査されます。