アルゼンチン代表を語る上で、ファンが長年注視してきたテーマがパウロ・ディバラの立ち位置です。「左利きのチャンスメーカー」「プレースタイルがメッシと重複する」という理由から、一時は代表での出場機会が著しく制限され、共存不可能論がメディアを賑わせました。
しかし、ディバラの現在の価値はかつてないほど高まっています。セリエAのASローマで攻撃の絶対的なタクトを振るい、卓越した戦術眼と決定力を見せつける背番号21は、代表チームにおいても極めて重要な「ジョーカー」としての役割を完全に受け入れました。
象徴的だったのはカタールW杯決勝の延長後半終了直前、スカローニ監督がディバラをPKキッカーとして投入した場面です。冷え切った身体でペナルティスポットに向かい、ど真ん中に冷静に沈めたあの一撃。試合後のロッカールームでディバラが涙ながらに語った「どんなに短い時間でも、チームの星になる覚悟で準備していた」という言葉通り、エゴを捨て去り集団の勝利に身を捧げる姿勢こそが、現在のアルゼンチンが誇るベンチワークの厚みを象徴しています。2026年大会においても、試合の流れを一変させるゲームチェンジャーとして欠かせない戦力として期待されています。