日本のガードレールといえば「白色」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、都内を巡ると深みのある「ダークグリーン(緑)」や「ダークブラウン(茶色)」、さらにはグレーや黒に近い色合いが目立ちます。東京のガードレールに緑が多い理由は、街路樹や公園の植栽といった都市の緑陰に溶け込ませ、人工物の圧迫感を軽減させる狙いがあります。
色彩の選定には、東京都建設局が定める防護柵の設置基準や「東京都景観計画」が直結しています。かつて主流だった白色は、夜間の視認性に優れる一方で、昼間の都市空間では反射が強く景観を分断しやすいという課題を抱えていました。そこで東京都では、景観に調和する基本色彩として「ダークブラウン(マンセル値 5YR 2/1相当など)」や「ダークグリーン」を標準色に位置付けています。
さらに歴史的建造物が並ぶ地域や再開発エリアでは、景観条例による茶色のガードレール設置が指定されるケースが定着しています。浅草や上野といった下町情緒を残すエリア、あるいは丸の内・日本橋といった洗練されたオフィス街では、落ち着きと重厚感を兼ね備えたアースカラーの防護柵が景観の統一感を強固に支えています。