家田さんの結婚歴の中で、世間に最も強い衝撃を与えたのが2人目の夫であるアメリカ人男性との死別です。
1980年代後半、取材のために滞在していたニューヨークで出会った黒人男性と恋に落ち、情熱的な国際結婚を果たしました。しかし、幸せな新婚生活は長くは続きませんでした。夫が当時「不治の病」として世界中に激しい偏見と恐怖を巻き起こしていたHIV(エイズ)に感染していることが判明したのです。
病状が悪化していく夫を前に、彼女は逃げ出すことなく献身的に看病を続けました。当時は感染経路に対する誤解や差別が根強く、周囲からの冷たい視線や精神的孤立とも闘う日々でした。凄絶な闘病生活の末に夫は他界。この最愛の人を看取った経験は、後に発表されたノンフィクション『私を抱いてそしてキスして』などの名作へと結実し、日本社会におけるエイズ啓発に多大な影響を与えました。