「パトラッシュ、疲れたよ」の真実と名作最終回の衝撃

「パトラッシュ、疲れたよ」の真実と名作最終回の衝撃

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最終回において視聴者の胸を最も強く打つのは、ネロが生涯憧れ続けた画家ピーテル・パウル・ルーベンスの傑作との対面です。当時、アントワープ大聖堂に掲げられていたルーベンスの絵『聖母被昇天』および『キリスト昇架』『キリスト降架』は、銀貨を支払わなければカーテンが開かれない仕組みになっていました。極貧のネロにとって、そのカーテンを開けることは叶わぬ夢だったのです。

しかし吹雪の夜、風によって偶然カーテンが開き、月明かりの中に神々しい絵画が現れます。ネロは「とうとう見たんだ、ルーベンスの絵を……だから、もうなんにもいらないんだよ」と歓喜の涙を流します。この直後、息絶えようとする2人のもとに舞い降りるのが、あまりにも有名な天使のお迎えシーンです。

飢えと寒さで命を落としたという痛ましい現実(パトラッシュの死亡理由も同様の極度の衰弱と凍死)を、チロル民謡をアレンジした美しい合唱曲「祈り」とともに天へと昇っていく演出で包み込むことで、悲劇でありながらも「魂の完全な救済」として描かれました。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。