頭部に咲く大輪の紫の花と、鮮やかなグリーンの葉っぱがトレードマークの「あいりっすん」。一見するとファンシーなマスコットですが、その誕生の背景には渋谷の都市ブランディングにおける明確なメッセージが込められています。
あいりっすんが誕生したのは2012年の渋谷区制施行80周年。区民をはじめ全国からアイデアを募った「渋谷区キャラクターデザイン公募」を経て、正式なPRキャラクターとして決定しました。名前の由来は、渋谷区の花であるハナショウブの英名「アイリス(Iris)」に、親しみやすさを添えた響きを掛け合わせたものです。
誕生に隠された意外な理由として挙げられるのが、「都会の喧騒の中に息づく自然と歴史の再評価」です。スクランブル交差点や商業ビル群の印象が強い渋谷ですが、明治神宮御苑の菖蒲田や代々木公園など、都内屈指の緑地を有しています。「流行の発信地だけでなく、緑豊かな住みよい街としての渋谷を区民に再発見してもらいたい」という環境保全への願いが、植物の妖精という姿に結実しました。
区の公式プロフィールによると、誕生日は区制記念日と同じ11月1日。性別は妖精のため特定されておらず、渋谷の街を散歩することと区民の笑顔を見ることが大好物とされています。行政の堅苦しさを払拭し、幅広い世代に親しまれる架け橋として活躍を続けています。