菓子を購入・保存する際に知っておくべき実用知識が、水分含有量に基づく公的な区分規格です。食品衛生法や公正競争規約において、菓子の分類は水分量によって明確に定義されています。
まず、生菓子と干菓子の違いは水分含有率のラインで分けられます。
- 生菓子:水分を30%以上含むもの(練り切り、おはぎ、ショートケーキ、シュークリームなど)
- 半生菓子:水分を10%以上30%未満含むもの(最中、羊羹、カステラ、ブッセなど)
- 干菓子(ひがし):水分が10%以下のもの(落雁、煎餅、金平糖、クッキー、ビスケットなど)
洋菓子の世界における焼き菓子と生菓子の分類も、この水分量と保存性が基準となります。生クリームやフレッシュフルーツを用いるアントルメ(生ケーキ)は水分活性が高いため消費期限が当日〜翌日と短く設定されます。一方、しっかり焼き締めたパウンドケーキやマドレーヌ(ガトー・セック)は水分活性が低く抑えられており、酸化防止包装を施すことで数週間から数ヶ月の日持ちを実現しています。
和菓子と洋菓子の賞味期限の違いには、原材料の防腐作用も関わっています。羊羹のように極めて高い糖度を持つ和菓子は、糖が自由水を抱え込むことで微生物の繁殖を防ぐため、生菓子でありながら数ヶ月以上の長期保存が可能です。一方、乳脂肪分を多く含む洋菓子は、時間の経過とともに油脂の酸化(過酸化脂質の生成)が進み、風味の劣化が早まりやすいという化学的特性を持っています。