高校球界の長打力を語る上で欠かせないのが「高校通算本塁打」の指標です。歴代ランキングの上位には、球界を代表するスラッガーたちの名前が並びます。
高校野球歴代通算本塁打ランキングで歴代最多の140本を誇る佐々木麟太郎は、規格外のスイングスピードと天性の長打力で高校野球界を席巻しました。しかし、佐々木自身が甲子園で放った本塁打は通算0本でした。早稲田実業で111本を打った清宮幸太郎も甲子園では通算2本にとどまっています。
なぜ高校通算で100本以上を打つスラッガーが、甲子園では本塁打を量産できないのでしょうか。そこには「地方球場と甲子園の広さの違い」「対戦する投手レベルの急上昇」「徹底したマークと配球の厳しさ」という3つの壁が存在します。地方大会や練習試合では両翼90〜95メートル程度の球場も多く、甘い球を仕留めればスタンドインします。しかし、両翼95メートル・中堅118メートルに加え、独特の「浜風」が吹き荒れる甲子園では、全国屈指のエース投手が投じる厳しいコースを完璧に弾き返さなければアーチにはなりません。このギャップこそが、甲子園で13本を打った清原和博の異常な凄みを物語っています。