ネット上の口コミで頻繁に目にする「綿棒に原液を含ませてニキビに直接塗る」という使い方は、皮膚科学的には極めて高いリスクを伴う行為です。
ティーツリーオイルの原液を肌に塗る危険性は、主に「刺激性接触皮膚炎」と「アレルギー性接触皮膚炎」の2つの側面から説明されます。精油は植物の芳香成分を数百倍から数千倍に濃縮した高純度化学物質の集合体です。バリア機能が低下しているニキビや湿疹の患部に原液を塗布すると、表皮細胞が直接的な化学ダメージを受け、赤み、激しいかゆみ、水ぶくれ、潰瘍化を引き起こす可能性があります。
さらに深刻なのが副作用としてのアレルギー感作です。ティーツリーに含まれるテルペン類(α-テルピネンやリモネンなど)は、空気中の酸素や紫外線に触れることで容易に酸化し、強力なアレルゲン物質(ヒドロペルオキシド等)へと変化します。酸化したオイルを繰り返し原液のまま肌に塗布していると、ある日突然アレルギーを発症し、以降は微量にティーツリーが含まれる化粧品を使用しただけでも顔全体が腫れ上がる体質へと変化してしまう恐れがあります。
トラブルを未然に防ぐためにも、初めてティーツリーオイルを肌に使用する際は、必ずキャリアオイルで1%以下に薄めた状態で前腕内側などに塗布し、24〜48時間のパッチテストを行うことが推奨されます。