防衛省は近年、激変する安全保障環境に対応するため、隊員の新規採用抑制の打破と離職防止を狙いとした給与体系の抜本的見直しを推し進めています。人事院勧告に連動した防衛省職員給与法の改正により、2025年12月提出の改正法案を経て2026年にかけて新号俸表が順次施行され、特に若手隊員の基本給(俸給月額)に重点を置いた引き上げが行われました。
今回の改定における最大の柱は、民間企業の初任給引き上げ競争に対抗するための「初任給の大幅な底上げ」です。大卒で幹部候補生学校を経て任官する3等陸・海・空尉(大卒任官時:3尉5号俸など)の俸給月額が底上げされたほか、高卒等で入隊する自衛官候補生や一般曹候補生の採用時給与も増額改定されました。防衛省の公式発表資料によると、初任給のみならず20代から30代前半の曹・士階層に対しても手厚い号俸スライドが適用されており、若年隊員の生活基盤を支える構造へと舵が切られています。
また、俸給表の引き上げにとどまらず、任務の困難性や特殊性に応じた手当の増額、夜間訓練や警戒監視任務に対する評価の見直しも同時に進められており、2026年の自衛官給料は名目・実質ともに過去最高水準の改善を見せています。