投資家が最も警戒してきたのが、いわゆる「後継者問題」だ。永守重信氏の強烈なリーダーシップによって急成長を遂げた企業ゆえに、トップ交代の摩擦は常にディスカウント要因として株価に織り込まれてきた。
だが、小部博志会長を中心とする現体制は、創業者の理念を継承しながらも、より規律ある組織運営へとシフトを進めている。過度な売上至上主義を見直し、ROIC(投下資本利益率)を意識した経営へと舵を切った姿勢は、海外のクオリティ株投資家から再評価され始めた。ガバナンス改革の成否が、中長期のバリュエーションを決定づける。