では、エントロピーの暴走を防ぎ、秩序を維持するエントロピーを減少させる方法はあるのでしょうか。物理学的な答えはシンプルで、「系をオープン(開放系)にし、外部からエネルギーを取り込んで不要なエントロピーを外へ排出すること」です。
ノーベル化学賞を受賞したイリヤ・プリゴジンが提唱した散逸構造論は、生命がまさにこの仕組みで秩序を保っていることを明らかにしました。人間が食事をしてエネルギーを取り入れ、呼吸や排泄、放熱によって乱雑さを外へ捨てることで生き続けられるように、組織や個人の生活も、外部の新しい知識や資源を取り入れ、不要な慣習を代謝し続けることで初めて崩壊を回避できるのです。