ツボブームが過熱する一方で、危うい兆候も見られる。YouTube(健康・医療系チャンネル)を開けば、「ここを10秒押すだけで腎機能が完全復活」「誰でも即座に毒素が抜ける」といった煽情的なサムネイルが乱舞しているのが現実だ。
都内で臨床にあたるベテラン鍼灸師は、こうした過激な動画に対して警鐘を鳴らす。「強く押せば押すほど効くと思い込み、皮下出血を起こしたり腱を痛めたりして来院する方が後を絶ちません。ツボ押しは筋力トレーニングではなく、神経への繊細なシグナル伝達です」
国家資格を持つ鍼灸師たちが口を揃えるのは、「痛みの強さではなく、心地よさと継続性」の重要性だ。強い痛みは筋肉を防御的に緊張させ、かえって血流を妨げてしまう。動画の再生数を稼ぐための極端な演出を見極め、正しい強さと頻度を守る冷静さが求められている。