炭治郎たちが那田蜘蛛山で直面したのは、それまでに遭遇した鬼たちとは次元が異なる恐怖でした。累は鬼舞辻無惨直属の精鋭部隊「十二鬼月」に名を連ねる下弦の伍。山全体を蜘蛛の巣のように支配し、鬼殺隊の隊士たちを操り人形のように同士討ちさせ、容易く屠る戦慄の力を見せつけました。
累の戦闘スタイルの根幹を成すのが、己の細胞から生成される極限まで硬化された鋼糸です。通常状態の糸であっても、炭治郎が渾身の力で振るった日輪刀をいとも容易くへし折る強度を誇ります。さらに自らの血を循環させることで、糸の強度は数倍へと跳ね上がります。
作中で炭治郎を極限の絶望に追い込んだ代表的な血鬼術は以下の通りです。
- 刻糸牢(こくしろう):鋼糸を幾重にも編み込み、強固な網状にして標的を包囲・切断する技。日輪刀をへし折られた炭治郎は、この技を前に死を覚悟しました。
- 殺目篭(あやめかご):血によって赤く染まった最高強度の糸を篭状に編み上げ、内部の敵を逃げ場のない状態で微塵に切り刻む殺戮術。
- 刻糸輪転(こくしりんてん):最大威力を誇る渦状の糸の奔流。生半可な呼吸の技では突破不可能な絶対的防御力を誇ります。
炭治郎が走馬灯の末に覚醒させた「ヒノカミ神楽・円舞」と、禰豆子の血鬼術「爆血」の合技をもってしても、累は頚を切断される寸前に自ら糸で頚を切り落として致命傷を回避。この戦術的知性と冷静さこそが、累の真の恐ろしさでした。