なぜ耳垢のタイプにこれほどの個人差があるのだろうか。その答えは、人間の第16染色体に存在する「ABCC11」という遺伝子にある。この遺伝子の塩基配列がどうなっているかで、耳垢が湿るか乾くかが完全に決定されるのだ。
研究によると、湿った耳垢は優性遺伝(顕性遺伝)であり、アポクリン汗腺の活動が活発であることを示している。世界的に見ると、欧米人やアフリカ系の人々の大半がこのタイプだが、東アジア、特に日本では圧倒的少数派だ。この遺伝的な偏りが、日本国内で「自分だけ違うのではないか」という不安を生む背景になっている。