90年代半ば、ストリートの熱気をそのまま紙面に閉じ込めた伝説的メディア『egg』が登場する。従来型のハイファッション誌とは一線を画し、街頭に集う若者たちのリアルな姿を切り取る手法は、当時のファッション雑誌業界に巨大な地殻変動をもたらした。
とりわけ異彩を放ったのが、極限まで肌を焼き、白のリップやアイラインを際立たせたスタイルだ。派手なストリートウェアを身にまとった若者たちが、放課後の街を占拠する。その熱源こそが渋谷センター街だった。メディアが提示するお仕着せの流行を拒絶し、自分たちの足元から新しい価値観を生み出す熱量がそこには溢れていた。