この形態が最も過激化し、凄惨な事件へと発展した典型例が、米国を揺るがしたカルト教団の存在だ。かつて末日聖徒イエス・キリスト教会の主流派から過激な教義を守るとして分派した「基本教義派(FLDS)」は、過酷な閉鎖社会を作り上げた。
教団の最高指導者であったウォーレン・ジェフスは、自らを「預言者」と称し、教団内の女性や未成年の少女たちを自らの意のままに配置・結婚させる絶対的な支配体制を確立した。かつて彼が犯した未成年者への性的暴行や人身売買に等しい行為は、現在も世界中に強い衝撃を与え続けている。
このカルト組織の歪んだ実像を冷徹に暴き出したのが、Netflixで配信され世界的な話題を呼んだ社会派ドキュメンタリー『キープ・スウィート: 祈りと服従』である。「ただ服従し、従順であれ」という教えの下で、どれほど多くの少女たちの尊厳が踏みにじられてきたのか。この作品は、動画配信サービスを通じて現代の視聴者に教団の暗部を突きつけ、一夫多妻制が持つ構造的な危険性を白日の下に晒した。