誰しもが憧れるアクロバット飛行チームの一員になる道のりは、気が遠くなるほど険しい。まず前提として、防衛省に所属する「航空自衛官」であり、すでにF-15やF-2といった戦闘機の操縦資格を持つ現役の戦闘機パイロット(ORパイロット=作戦可能操縦士)であることが絶対的な応募条件となる。つまり、新人が直接配属されるルートは存在しない。
選考基準は単なる飛行時間の多さや技術の高さだけにとどまらない。隊員同士がわずか数十センチの距離で高速飛行を行うチームワークが命であるため、協調性や精神的な適性、さらには広報活動に対応できる人間性やスピーチ力に至るまで厳格に評価される。候補者は全国の航空部隊から推薦され、厳密な書類選考と飛行実技テストを経て、ようやく「年間わずか数名」という超狭き門をくぐり抜けることができるのだ。