一冊の台本を手にした瞬間、その役になりきってしまう「恐ろしい子」——。北島マヤというヒロインの強烈な個性が、この作品の原動力だ。泥まんじゅうを喰らい、荒波の中で声を張り上げる。狂気とも言える演技への執念と情熱は、既存の少女漫画の枠組みを根底から突き破ってみせた。
ライバルである姫川あゆみとの宿命的な対立、そして作中劇として描かれる幻の名作『紅天女』の継承権をかけた壮絶な争い。美内すずえが紡ぎ出すドラマチックな展開は、時代や世代を軽々と超えて人々の心を惹きつけて止まない。実写化が取り沙汰されるたびに大きな反響を呼ぶのは、それだけ原作の持つエネルギーが突出している証左だろう。