日本の家計におけるエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)は、2026年に入り平均28%を超え、過去最高水準を更新し続けている。先進国においてエンゲル係数の上昇は、実質賃金の伸び悩む局面で顕著に現れる現象だ。
住居費や教育費、通信費といった固定費が削りにくい中、食費は「日々の選択で調整できる柔軟な費目」として捉えられがちだった。しかし、主食である米やパン、卵といった基本食材全体の底上げが進んだことで、調整の余地そのものが狭まっている。
食費を削りすぎることによる栄養バランスの悪化やメンタル面のストレス増大は、長期的に医療費の増大を招くリスクを孕む。単なる切り詰めではなく、無駄の排除に特化した持続可能な見直しが求められている。