あの膨大な空間を支えている技術の正体、それこそが空気膜構造と呼ばれる画期的な建築様式だ。内閣総理大臣賞をはじめとする数々の技術賞に輝いたこのシステムは、外部よりもわずかに高い室内気圧を維持することで、巨大な布状の屋根を膨らませ続けている。柱を一本も使わずに大空間を作り出すというアプローチは、当時の建築・構造工学における革命だった。
屋根に使用されている超耐候性フッ素樹脂コーティングのガラス繊維膜は、軽量でありながら鋼鉄に匹敵する引張強度を誇る。二重構造の膜の間に空気層を設けることで、断熱性や音響効果も高められているのだ。見た目の美しさだけでなく、自然災害や強風にも耐えうる緻密な計算と高度な工学知見が、あの白い巨大ドームを支えている。