日本の裏社会を語る上で、ジャーナリズムや映画作品が果たした役割は極めて大きい。ノンフィクション作家の溝口敦をはじめとする実録記者は、命の危険を冒して現場に肉薄し、その生々しい実態を活字として記録し続けた。彼らが暴いた裏社会の病理と人間模様は、世間に大きな衝撃を与えた。
また、東映の実録映画の金字塔である『仁義なき戦い』や『県警対組織暴力』といった作品群は、スクリーンを通して警察と暴力団の壮絶な攻防を描き出し、金と権力に翻弄される男たちの業を鮮烈に刻みつけた。フィクションの形を借りながらも、そこに投影されていたのは瀬戸内や岡山県で繰り広げられた血なまぐさいリアルそのものであった。