「スキンケアを頑張ればいつかクレーターも治る」と信じて高保湿クリームやオイルを塗り重ねる行為は、皮膚科学の観点からは重大な誤解です。
皮膚は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっています。市販の化粧水や医薬部外品が浸透するのは、表皮の最も外側にあるわずか0.02ミリの角質層までです。医薬品の外用薬であっても、真皮深層で断裂・癒着したコラーゲン繊維を再構築することはできません。
クレーター状のニキビ跡を修復するには、医療機器(フラクショナル炭酸ガスレーザー、ポテンツァ、マイクロニードルなど)によって真皮層に微細な熱損傷や物理的刺激を与え、創傷治癒反応(体が自ら傷を治そうとする力)で大量のコラーゲンを強制的に生成させるか、皮膚の癒着を針で切り離すサブシジョンなどの外科的アプローチが必要不可欠です。
「治らないもの」に対して誤った期待をかけ、何年も市販品を使い続けること自体が、治療のゴールを遠ざける最大の要因となっています。