マキネッタで淹れたコーヒーに対して「口当たりがザラザラして不味い」「薬のように苦い」と感じてしまう最大の要因は、マキネッタ特有の抽出原理と器具の特性を無視した淹れ方にあります。
マキネッタ(モカポット)は、下部タンクの水を沸騰させ、発生した蒸気圧(約1.5〜2気圧)によってお湯をコーヒー粉の層へと押し上げ、上部サーバーに濃縮液を抽出する仕組みです。この抽出プロセスにおいて、初心者が陥りがちなNG行動が以下の4点です。
第一に「エスプレッソ用の極細挽き粉を使い、粉を強く押し固める(タンピングする)」こと。マキネッタの蒸気圧は業務用の高圧マシン(9気圧以上)に比べて弱いため、粉を細かくしすぎたり押し固めたりするとお湯の通り道が塞がれます。結果として粉が異常過熱され、激しいエグみと焦げ臭だけが抽出されてしまいます。
第二に「最後まで火にかけっぱなしにする」こと。抽出の終盤に「ボコボコ」「シュー」と音が鳴っている状態は、熱湯ではなく高温のスチームが粉を通過しているサインです。このスチームに粉が晒され続けると、最も抽出してはいけない雑味成分が一気にサーバーへと流れ込みます。
第三に「ドリップ用の浅煎り〜中煎り豆をそのまま使う」こと。短時間で濃厚なエキスを取り出すマキネッタでは、酸味の強い豆を使うと刺激的な酸っぱさばかりが強調され、バランスが著しく崩れてしまいます。