東京駅周辺の飲食フロアを見渡すと、和食やイタリアンの名店を抑えてタイ料理店がひときわ活況を呈しています。丸の内タイカレーのランチにこれほど強い引きの強さがある最大の要因は、知的労働に従事するビジネスパーソンのメンタルおよびフィジカルなリフレッシュ需要と完璧に合致している点にあります。
午後からの過密なスケジュールを控えたオフィスワーカーにとって、レモングラス、コブミカンの葉(バイマックルー)、ガランガルといった生ハーブの刺激は、疲弊した感覚を瞬時に目覚めさせる格好のアロマテラピーとして機能します。丸の内タイカレーの行列の理由を現地で観察すると、一般的なファストフードでは得られない「質の高い刺激」と「腹持ちの良さ」を短時間で両立させたいという、極めて合理的なタイパ(タイムパフォーマンス)志向が働いていることが分かります。
さらに、丸の内エリアの商業施設に出店する店舗は、タイ政府商務省が認定する「タイ・セレクト」の最高ランクを獲得している実力店が多く、本国の高級ホテル出身シェフが腕を振るっています。オフィス街の洗練された内装の中で、現地さながらの妥協なき辛味とコクを堪能できる体験価値が、連日のリピーターを生み出す基盤となっています。