水族館でエイを下から見上げたとき、誰もが「人の顔」や「笑っているキャラクター」を想起します。しかし、エイの裏側 生物学的構造を解剖学的に紐解くと、私たちが認識している顔のパーツ配置とは全く異なる真実が浮かび上がります。
最も大きな誤解を生んでいるのが「目」の位置です。にっこり笑った目元のように見える上部の2つの穴は、視覚を司る器官ではなく「鼻孔(びこう=鼻の穴)」です。本物の目は平らな体の上面(背中側)に位置しており、海底の砂に潜りながら上方の外敵や獲物を見渡すために特化しています。
一方で、鼻孔のすぐ下で緩やかな弧を描いているスリットは正真正銘の「口」です。さらにその下側に左右5対(種類によっては6対)並んでいるスリット状の裂け目は、呼吸を行うための「エラ穴(鰓裂)」にあたります。つまり、私たちが「にっこり笑う人の顔」として認識している部分は、「鼻孔+口+エラ穴」が織りなす偶然の配置に過ぎません。