なぜ、これほどまでに食通を魅了するのか。その理由は、泥臭さが一切ないクリアな風味と、口の中でサッと溶ける脂質の上質さにある。
名作グルメ漫画『美味しんぼ』のエピソード内でも、その圧倒的な質の差は熱く描写された。養殖の最高峰として知られる坂東太郎などが科学的アプローチで身の柔らかさと脂のノリを極限まで追求しているのに対し、天然の青物は自然界の恩恵そのもの。天然うなぎ特有の力強い弾力がありながら、脂の後味がどこまでも軽やかで品が良い。身を噛み締めた瞬間に広がる芳醇な香りは、他を寄せ付けない圧倒的な個性を放っている。