千切りにしたレタスをみずみずしく仕上げる工程において、最大の分岐点となるのが「水晒し」の工程です。ネット上では「氷水に長く浸すほどパリッとする」という誤解が散見されますが、これは科学的には逆効果を招きます。
レタス千切りシャキシャキ水にさらす際の至適時間は、浸透圧と細胞膨圧のメカニズムから「冷水(約5〜10℃)で1分30秒〜2分」が限界値です。この短時間であれば、レタスの気孔や断面から水分が適度に取り込まれ、細胞膜が張力を取り戻してパリッとした食感(細胞膨圧の上昇)が生まれます。
しかし、3分以上放置すると、細胞膜が過度の浸透圧に耐えきれず浸水状態(水浸潤)となり、逆に組織が軟化して食感が著しく低下します。さらに、レタス千切り栄養価の中心である水溶性ビタミン(ビタミンCや葉酸)、血圧調整に関わるカリウムが最大で約30%水中に溶出してしまいます。引き上げた後は、サラダスピナー等を用いて遠心力で徹底的に水気を切ることが、ドレッシングの絡みを良くし、鮮度を保つ絶対条件です。