健康志向の高まりに伴い「デカフェ(カフェインレス)に替えれば胃痛は100%防げる」という言説がネット上で散見されますが、これは医学的に不完全な認識です。
デカフェ胃への影響を検証したドイツの生化学研究などによると、デカフェ加工を施しても胃酸分泌を刺激するクロロゲン酸誘導体や苦味ペプチドは一定量残存します。そのため、重度の胃炎患者や機能性ディスペプシア(FD)の患者が空腹時にデカフェを大量摂取した場合、依然として胃もたれや胸やけを引き起こすリスクがあります。
もう一つの重大な盲点が、胃薬コーヒー飲み合わせの危険性です。胃が痛むからといって、市販の胃腸薬や制酸剤をコーヒーで流し込む行為は絶対に避けてください。コーヒーに含まれるタンニンが薬の有効成分と結合して吸収を阻害するほか、H2ブロッカーやPPI(プロトンポンプ阻害薬)の代謝にカフェインが干渉し、思わぬ副作用や効果減弱を招く危険性があります。胃薬は必ず常温の水か白湯で服用するのが鉄則です。