六甲山地がもたらす清らかな水と昼夜の大きな寒暖差は、果実の糖度を極限まで引き上げる。夏から秋にかけて園内の果樹園は、桃、ブドウ、梨、リンゴとリレー形式で旬の味覚に満たされる。樹上で完熟したばかりの果実を自らの手でもぎ取り、その場で味わう体験は、都市部では決して味わえない贅沢だ。
この果樹園体験を軸にしたアグリツーリズムの波は、食のエリアへと直結している。「地産地消」を掲げるマーケットには、大沢町や北神地域の農家が朝一番に泥付きのまま持ち込んだ採れたて野菜が並ぶ。フードコートで提供されるピザやジェラートも、地元産小麦や搾りたての牛乳を使用。単なる「収穫体験」で終わらせず、地域の農業経済をその場で体感できる動線が計算し尽くされている。