関係者の内部告発によって浮かび上がったのは、驚くほど緻密に張り巡らされた資金移動のネットワークだ。銀行口座が即座に凍結されるリスクを避けるため、現金の受け渡しは今なお厳重な手渡しが主流となっている。しかし、その手口は以前と一線を画す。追跡を困難にするため、受け渡し場所は高速道路のパーキングエリアや監視カメラの死角となる立体駐車場が選ばれ、受け渡し役は数日ごとに変更される。
さらに近年では、暗号資産の分散ウォレットや海外のペーパーカンパニーを経由した迂回送金が常態化している。フロント企業を何重にも噛ませ、「コンサルティング報酬」や「業務委託費」の名目で名目をロンダリングし、最終的にトップ層へと吸い上げる手口だ。現場の構成員がどれほど困窮しようと、上層部へ吸い上げられる驚愕の資金フローは維持され続けている。