テレビドラマの女王として君臨する前、浅野温子はスクリーンの中で激しくその爪痕を残していた。1970年代後半のデビューから、1981年の角川映画『スローなブギにしてくれ』でヒロイン・さち乃役を射止めたことで、映画界の熱い視線を一身に浴びることになる。
片岡義男の原作を見事に体現した「Want you!」の台詞とともに、スクリーンに焼き付けられた彼女の無防備な輝きは、観る者を惹きつけて離さなかった。計算のない野性的な反射神経、激しい感情の爆発、そして少女から大人の女性へと脱皮する一瞬の煌めき。映画制作の名門である東映などの過酷な現場で鍛え上げられた演技力は、単なるビジュアル先行の女優とは一線を画す重厚な土台を形作った。