館の名称「長楽館」の命名者は、初代内閣総理大臣の伊藤博文その人だ。「長く楽しみを楽しむ」という意を込めて揮毫された直筆の扁額は、今も館内で静かに歴史を物語る。かつて明治の元勲や海外の要人が夜な夜な集い、国の未来を語り合った華やかな気配が、いまも回廊のすみずみに残っている。
この世界的な文化遺産を次世代へ引き継ぐため、現在力強く推進されているのが長楽館本館保護改修プロジェクトだ。名匠J.M.ガーディナーの設計による本館は、格式高い明治洋風建築でありながら、内部にはロココ、アール・ヌーヴォー、中国風の意匠、さらには純和風の空間までが緻密に組み込まれている。歴史的景観と耐震性・安全性を高い次元で両立させるこの改修プロジェクトは、文化財保全の観点からも国内外から高い評価を得ている。