国語学の知見に基づき、言葉の本来の意味をわかりやすく解説することで知られる辞書編纂者の飯間浩明氏は、三省堂の国語辞典の編集を通じて、この二つの動詞の根本的なイメージの違いを繰り返し提示してきた。
飯間氏の提示する整理によれば、判断の根幹はシンプルだ。「超える」は数量・限度・基準といった一定の枠組みや数値を上回る場合に使われる。一方、「越える」は、山や川といった物理的な場所、時間、あるいは障害物や境界線という「点やライン」を通過して向こう側へ渡る動作を指す。この「枠組みを上回る(超)」か「境界を渡る(越)」かという概念の軸さえ捉えれば、大半の迷いは雲散霧消する。