血統という概念が競馬のロマンであるならば、この馬はその象徴そのものだった。父は日本競馬界の至宝ディープインパクト、母はドイツG1を制した名牝。生まれながらに約束された良血という重圧は、時として馬自身の伸びやかな走りを縛る枷にもなる。
平地競走での頭脳戦とスピード勝負において、時に気性面の難しさや脚質の噛み合わなさが課題となった。だが、陣営が選んだのは諦めることではなく、新たなステージへの挑戦だった。芝の平地戦から竹柵や水ごうを飛越する障害競走への転向。この大胆な決断こそが、彼の第二の馬生を劇的に切り拓く鍵となったのだ。