そもそも、この祭りがなぜ冬の長野でこれほどまでに深く愛され続けているのか。その原点は、世界中を感動の渦に巻き込んだ「1998年長野オリンピック記念事業」まで遡る。大会開催を記念して始まったこの取り組みは、単なる一回性の記念行事にとどまらず、地球規模での平和への祈りを込めた「平和の灯火プロジェクト」へと昇華していった。
世界中から集まったアスリートたちが競い合ったあの日から歳月が流れても、長野の人々の胸に宿るホスピタリティの精神は衰えることがない。五色の光で照らし出される善光寺本堂のライトアップは、オリンピックシンボルの五輪の色になぞらえられており、仏教の「五智」の理念とも美しく共鳴している。世界平和という大きな願いと、市民ひとりひとりの暮らしへの祈りが重なり合う場所に、この灯籠の灯火は存在しているのだ。